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絵のモデルになる・その6 できあがった絵をのぞきこむ。 「うわ……私、こんな緊張してたかな。……あれ？」 その時、絵とは違う部分で気になるところを発見したのでした。 スケッチブックを綴じているねじねじのばねばねの部分に、一枚破り取ったような跡が残っていたのです。 「ねぇ、主人公くんてさ……、失敗した絵も勉強のために全部残してるって言ってたよね。ここ、どうして破いちゃったの？」 すると急にあたふたとしだす男の子。 ものすごい失敗作で例外的に捨てたのだと言ったり、スケッチブックを忘れた友達に一枚あげたと言ったり、しどろもどろで一貫性が無いのでした。 嘘が下手なのも良いところなんですが、これは何か隠しているに違いないのです。 「ちょっと見せて！」 スケッチブックを奪い取ってぱらぱらとめくってみると、3年の朝香先輩の絵が描いてありました。 朝香先輩の絵が3枚続いて、4枚目が破り取られています。 2枚目、3枚目と、少しずつポーズが大胆になっていて、4枚目がその続きだとすると…… 「朝香先輩の……ヌード、描いた……の？」 再びあたふたとしだす主人公くんなのでした。 「私が間違って脱ごうとしてもすぐに止めるのに、先輩なら良いんだ。そーだよね、わたしなんて全然……その、色っぽくないし、先輩の方が良いよね。 それにさ、ヌードのところだけ隠してるってのがやらしいよね。どこかに大事にしまってあるんでしょう？　モデルとしてじゃなくて、……そーゆう目で見てるんだ。うぅ〜…」